笑われた。
あの日、僕はみんなから馬鹿にされた。
『マイケルジャクソンのようなエンターテイナーになる!それで世界中を周るんだ!』
あれは中学3年生の冬だった。
高校も外国語専攻できるところに行けることが決まり、
マイケルジャクソンのダンスも徐々に踊れるようになっていて、
マイケルジャクソンのように、大きなステージでパフォーマンスしたり、
世界中の子どもたちに夢を与えているような、
そんなことをイメージしては、周りに語っていた。
でも笑われるのは無理もない。
はたから見たら、僕は、
『いじめられっ子で、特に頭も良くなく、踊りも歌もできない、海外に行ったこともない、ただの口だけの14歳。』
周りにはもちろん、
『お前何言ってんだ。』と言われていた。
でも僕は、常に想像していた。
"世界中で踊る姿”
"ステージに立つ姿”
"子どもたちと楽しく過ごしている姿”
確かに、その時は何もできていなかった。
レッスンに通ってるわけでもない。
お金があるわけでもない。
英語が話せるわけでもない。
技術があるわけでもない。
親が応援してくれてるわけでもない。
だから、ただただ想像して、行動をした。
アルバイトを始め、
YouTubeでダンス練習を毎日して、
マイケルジャクソンの映像で、世界を旅し、世界のことを知っていった。
何もできてないなりに行動をし、ただただ周りに夢を語り続けた。
そして高校に入り、僕は中学の時よりも、たくさん夢を語り、たくさん行動し続けた。
それができたのも、環境が新しく変わったからだ。
僕がいじめられていたことをみんなは知らない。
だからゼロからスタートできると思い、より行動に移すことができた。
でももちろん、馬鹿にされた。
『できるわけねえだろ。』
『ダンス下手だよ?』
そんなことを言われ続けた。
どんどん噂も広がり、
『あいつマイケルジャクソンになりたいとかいってるよ』
『世界中の子どもたちとか、ちょっと偽善者ぽくない?』
でもそう言われて来たおかげで、いろんな人から知られるようになった。
そして、
そう言われていく中で、徐々に応援者も現れた。
『こうすけならできるよ!』
『意外とダンス上手いじゃん!』
とても嬉しかった。ずっと誰からも期待されずに、批判されていただけだった僕が、
初めて人から褒められ、信頼され、応援されたからだ。
そしてこの時思った。
アンチが増えるほど、応援者も同時に増える。
みんなに好かれるなんてことはないけど、必ず応援者は側にいてくれる。
みんなから信じられることはないけど、何人かは僕のことを信じて応援してくれる。
そう、全ては"情熱”と"想い”から引き寄せるものだった。
そしてその想いは、親にも届き、
『"今”だからできることだと思うから、"今”だけは応援してあげる。』
最初は反対していた両親だったが、イギリスやベトナムの留学にお金を出してくれた。
決して僕の家族はお金持ちでもないし、親不孝と思われるかもしれない。
でも、そんな僕を信じてくれて、投資をしてくれた。
まずはイギリスへ。2週間の短期留学が始まった。
イギリスの中学校でパフォーマンスをしたり、
ストリートパフォーマンスをして、子どもたちと交流したり、
多くの人たちの前で踊ることができた。
初めて聞く大歓声。自分が認められたような気がした。
そして海外で踊ること、子どもたちとダンス交流するという夢を叶えることができた。
そんな夢を叶えて、1年後。
次はベトナムへ。イギリス同様、2週間の語学留学だった。
イギリス同様、
マイケルジャクソンのパフォーマンスをし、
場所問わず、いろんなところで踊り続けた。
僕が踊ることで、たくさんの笑顔を見ることができた。
踊ることで、絆を深めることができた。
そして確信した。
『世界中でやっていける!』と。
帰国後も、
僕は発信、行動、挑戦をし続けた。
次に続く。